紅茶が育んだ文化

ナーサリーティーはしつけの一環

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ミニチュアのティーセット

ナーサリー・ティー nursery tea

または、Children’s teaともいいます。つまり、アフタヌーンティーの子供版です。

大人のエレガントなアフタヌーンティーとは異なり、子ども用の茶器もあり、ぬいぐるみや可愛らしいデコレーションをするなど、子どもたちを楽しませる趣向がもりだくさんです。

中産階級では、ナニーと呼ばれる雇われ乳母が、子どもたちの教育や世話を行っていましたが、ナーサリーティーは、ナーサリールーム(子ども部屋)で行われるお茶の時間です。子どもたちは、ナーサリーティーを通して、さまざまなことを学ばなければなりませんでしたから、単なるお茶の時間というだけのものではなかったようです。

たとえば、ゲストの選び方、ティーセットの揃え方や扱い方、テーブルセッティングの方法、ふるまい方やコミュニケーションの仕方など、かなり高度なことをナーサリーティーを通して学びました。

その実践編として、子ども同士のお茶会も開かれ、そのためのマニュアル本なども流行しました。兄弟姉妹で簡単に済ませるたり、友人を招待して本格的なティーパーティーをひらくこともあります。

本格的なナーサリー・ティーは、大人のアフタヌーンティーと同様、サンドイッチやバターつきパンからはじまるのがマナーです。そこにケーキが1~2個出されました。

飲み物は、必ずしも紅茶とは限らず、オレンジジュースやレモネード、冬ならばココア、ビーフティー(牛肉のスープ)などということもあります。アフタヌーンティーのサンドイッチは、キューカンバーサンドイッチがスタンダードですが、こうしたもののほかにバナナやトマトなどの子どもたちの嗜好に合わせたサンドイッチもだされます。

また、夕食の時間を大人の時間にあわせるとなると、かなり遅い時間まで待たなければならなくなりません。ですからナーサリーティーが、子どもたちの夕食がわりとなることもありました。そうしたときには、ミルクたっぷりの紅茶、ビーフティー、サンドウィッチ、ビスケットやカップケーキなどの高カロリーなものが用意されました。

中産階級の子どもはこんな優雅な一日を過ごしていたんですね。さすが、大英帝国。

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