“茶”の生産は中国が一番!
表を見てわかるように、茶葉の生産は、中国が第一位です。続くインドと合わせると世界の生産量の6割を占めています。日本の世界ランキングは第10位。日本は、世界でも有数の「茶どころ」なんですね。
ですが、このデータでは、このお茶がどのように加工されているのかがわかりません。
“紅茶”の生産はインド!
茶葉の生産量では断トツ一位の中国でしたが、紅茶の生産量になると、6位になっています。つまり、中国で生産される茶葉は、そのほとんどが中国茶(半発酵・後発酵茶)や緑茶に加工されることがわかります。一方のインドは、茶葉の生産量でも2位、そして紅茶の生産量では1位ですので、その多くが紅茶に加工されているということがいえます。
輸出大国はスリランカ
さて、輸出量を比較してみると、紅茶の輸出大国はスリランカであることがわかります。スリランカの紅茶生産量が329,000tで、輸出が293,000tですから、スリランカで生産された紅茶の9割が輸出されていることになります。つまり、スリランカの紅茶はほとんどが輸出用だということですね。続くケニアなどにも同様ことがいえます。
紅茶の消費量世界ランキング
国別の紅茶の消費量をみてみましょう。
紅茶の生産世界一を誇るインドが、他の国を圧倒的に引き離しています。インドのミルクが入った紅茶“チャイ”は有名ですよね。スパイシーなカレーにも、おいしい紅茶がよくあいます。それに対して、無類の紅茶好きといわれるイギリス人が、4位になっています。
データのトリック
世界的にみると、イギリス人よりインド人の方が紅茶好きなんですね。
……といいたくなりますが、実はそういう話ではないんです。
インドは、中国に次ぐ人口を抱えています。つまり、一人あたりの消費量にしてみないと、この勝負の決着はわからないということです。
そこで、これを一人あたりの消費量で計算してみると、
インド=およそ800g
イギリス=およそ2100gとなります。
ちなみに、旧ソ連の国々の人たちの総人口を3億と見積もると一人当たり1000g程度、パキスタンは800g程度となります。これらの数字と比較すれば、イギリス人の2100gというのは、かなりの量になります。
これでも、最近はイギリス人の紅茶消費量が減ってきている傾向にあるのだとか。
つまり、「世界一の紅茶好き」はイギリス人ということは、ゆるぎないようです。
このイギリス人の約2100gという数字に対して、日本人の紅茶消費量は、200gほど。日本に紅茶の専門店が少ない理由は、こうした消費志向にもあるようですね。
参照:FAOSTAT