ダンディーケーキは、どのへんがダンディー?
イギリスの伝統的なティーフードに「ダンディーケーキ」というお菓子があります。名前からしてなんとなく紳士的で粋な感じがするケーキ。どのあたりがダンディーDandyなのか、ちょっと興味津々……。
が、日本語にありがちなこの勘違い。
ダンディー・ケーキはdundee cakeと書くんですね。ダンディーは、スコットランドの東部にある町の名前でした。この町の発祥のケーキなので、ダンディーケーキというわけです。イケメンさんのケーキではなかった……。
大きな丸いフルーツ・ケーキで、干しぶどうやスパイスなどをたっぷりと入れて焼き上げます。生地の上には、アーモンドなどのナッツをぎっしりと並べてあるものも多く、なかなか食べごたえのありそうなケーキです。
ところで、このケーキ。
マーマレードメーカーが、マーマレード工場の余ったオレンジの処分対策などのために考案したものなのだとか。以来、イギリスでも大変な人気があるケーキなんだそうです。
作ってすぐではなく、2週間くらい熟成させてから食べるとおいしいといわれ、クリスマスに食べるために12月の初めごろに作ることも多いのだそうです。
女王のために作られたケーキ ヴィクトリアンサンドイッチケーキ
ロンドンなどのあるイギリス本土、グレートブリテン島の南、ハンプシャー州の対岸にワイト島という島があります。日本の佐渡島より少し大きいこの島は、自然が豊かで、ヴィクトリア女王の時代にリゾートとしての開発が進みました。
ここに、オズボーンハウスと呼ばれるイギリス王室の別邸があります。ヴィクトリア女王は、ここがお気に入りで、夏の休暇はたびたびここで過ごしました。
1861年、女王最愛の夫アルバート公が病で急逝しました。女王は悲しみのあまり、この別邸に引きこもってしまいます。そんなある日、このオズボーンハウスで開かれたパーティーで、女王のためにお菓子が作られました。
スポンジケーキに、ラズベリージャムを挟んだだけのシンプルなお菓子でしたが、女王は大変これを気に入り、以後、このお菓子には女王の名前をつけて、ヴィクトリアンサンドイッチケーキと呼ばれるようになりました。
現在でも、イギリスのティータイムの定番のお菓子の一つとなっています。