茶葉の等級(グレード)とは?
紅茶の茶葉には等級(グレード)があります。等級(グレード)というと、なんとなく茶葉のランク付けをしているような感じがありますが、これは品質の良し悪しを意味するものではありません。できあがった紅茶を、茶葉の大きさによって分けたものです。
茶葉の摘み方は、上から順に一芯三葉
茶葉は、上から呼び方が決まっています。
上から順に見ていきましょう。
◆Flowery orange pekoe または Tippy Flowery orange pekoe
フラワリー・オレンジ・ペコー または ティッピー・フラワリー・オレンジ・ペコー
……FOP:枝の一番上にある新芽(芯芽)の部分です。1枚目の葉をさします。
◆Orange pekoe オレンジ・ペコー
……OP:先端から2枚目の葉のこと。オレンジの香りがするわけではありません。^^;
◆Pekoe ペコー
……P:先端から3枚目の葉。ここまでを、「一芯二葉」といいます。摘み取るのはだいたいここまでです。
◆Pekoe Souchong ペコー・スーチョン
……PS:先端から4枚目の葉。ここまでを摘み取るときには、「一芯三葉」といいます。量産タイプです。
◆Souchong スーチョン
……S:先端から5枚目の葉のこと。ラプサンスーチョンというお茶に使用されます。
◆Broken Pekoe Souchong ブロークン・ペコー・スーチョン
……BPS:PS(ペコー・スーチョン)の茶葉をカットして、篩(ふるい)にかけたものです。
◆Broken Pekoe ブロークン・ペコー
……BP:P(ペコー)をカットしたもので、芯芽を含みません。
◆Broken Orange Pekoeブロークン・オレンジ・ペコー
……BOP:OP(オレンジペコー)をカットしたもの。芯芽を多く含んでおり、香味が強く水色も濃いのが特徴です。上級品が多く、市販されているリーフティはこのタイプが主流です。
◆Broken Orange Pekoe Fannings ブロークン・オレンジ・ペコー・ファニングス
……BOPF:BOPを篩(ふるい)にかけたもの。茶葉が大変小さいので、早く抽出されます。ブレンドティーやティーバッグに使用されることが多い茶葉です。
◆Fannings ファニングス
……F:BOPFをさらに篩(ふるい)にかけたもの。茶葉はかなり細かくなっています。
◆Dust ダスト
……D:篩(ふるい)にかけて分けたもの。葉のサイズは最も小さくなり、粉に近い状態となります。ティーバッグに使用されることが多いです。
ペコーとは?
芯芽や白く細い産毛がたくさんついているお茶を中国語「白毫」は、「バイハウ(Baihao)」となります(google翻訳に発音させると確かにこのとおり)。これがなまって「ペコー(pekoe)」となったのだとか。
19世紀の中ごろから末にかけて、インドやセイロン(現スリランカ)で産毛がオレンジ色に見えるお茶が作られるようになりました。いれたときの水の色(水色"すいしょく"といいます)も、薄いオレンジ色をしていたところから、オレンジペコー(中国語では「橙黄白毫」)と名前がつきました。
シルバーチップ(シルバーチップス)
紅茶の摘採は、「一芯二葉」、芯芽と上から2枚の葉を摘むという方法で行われます。
チップとは、まだ開いていない芯芽だけを、一つ一つ丁寧に手で摘んで作られたものです。
これをそのまま自然に乾燥させたものを、シルバーチップと言います。
作業の状況を考えただけでも、大変貴重なお茶であるということが想像できるかと思います。
このシルバーチップだけを集めたお茶は、銀色の産毛に包まれた美しい外観から人気がありますが、生産量が限られているため希少価値が高く、珍重されています。
ゴールデンチップ(ゴールデンチップス)
さらに、芯芽についたその白い産毛が、発酵した紅茶液に染まって金色に光った状態となっているお茶があります。
これがゴールデンチップで、これだけを集めたお茶も、同様に希少価値の高いお茶となっています。
味や香り、水色は淡く特徴のあるお茶ではありませんが、その希少性から中近東などでの需要があるそうです。