どのへんがロイヤル?
イギリスと同様に、王室(皇室)をもつ日本。Royalという言葉には弱い。高貴で優雅なイメージが漂い、庶民にとってはなんでも憧れの的です。
単純に英語の意味としてみると、
1 国王[女王]の; 王室の.国[女]王から出た[与えられた].
2 《主に英国で用いられる》 国王の保護のある; 王権の下にある; 王立の
3 王者らしい,王にふさわしい; 気高い,高貴な,威容のある; 寛容[寛大]な.堂々とした,りっぱな; すばらしい,すてきな.
となりますが、「ロイヤルミルクティー」の“ロイヤル”ってどのあたりの意味なんでしょうね。イギリス王室が、紅茶にミルクをたっぷり入れて飲んでいるのかといえば、別にそういうわけでもありません。イギリス人なら、多くの人がミルクをいれて飲んでいます。
ロイヤル族、じつはミルクティーだけじゃなかった。
ミルクティーとロイヤルミルクティーとの差は何だ!?と思ったことはありませんか?
特に、カフェなどで「ミルクティー」と「ロイヤルミルクティー」が併記されていると、「何が、どー違うんだろ」と興味津々です。お店の人に突っ込んでみたくなります。
そこで調べてみたところ、どうやらこれは、「リプトン」が仕掛けた商戦の一つらしいということが判明。リプトンの日本での創業は1930年代、京都の三条で始まりました。
戦後、日本に紅茶文化が根付いていくなかで、紅茶にあうお菓子「ロイヤルシリーズ」を展開。これが大ヒットとなったそうですが、そのなかに「ロイヤルミルクティー」がありました。
1960年代半ば、リプトンのロイヤルシリーズとして、ロイヤルプリン、ロイヤルシュー、ロイヤルエクレア、 ロイヤルショートケーキ、ロイヤルミルクティが誕生します。 紅茶に合うデザートとして、人気を博したロイヤルシリーズは、 昭和48年2月、ロイヤルプリンが 総理大臣賞を受賞。 そして ロイヤルミルクティは、のちに大ブームを起こすこととなるのです。
参考 株式会社フクナガ
なんと、プリンやショートケーキまで、「ロイヤル」だったのですね。これには、びっくり。
シチュードティー
ということで、Royal milk teaは、和製英語なので基本的には海外では通じません。
じゃあ、あのミルクの存在感が大きい紅茶は、日本だけのものかといえば、もちろんそうではありません。日本人がイメージするロイヤルミルクティーのような紅茶は、「シチュードティー stewed tea」と呼ばれています。まさに、シチュー(煮込む)そのもの、手鍋などで、茶葉と牛乳を煮込んで作る紅茶です。
ミルクは低温殺菌牛乳がいいらしい
イギリスでは、紅茶に入れるミルクには「低温殺菌牛乳」を使うそうです。
しかし、この低温殺菌牛乳、無いです。近郊の大手スーパーをいくつかまわってみましたが、みんな「130℃の2秒間」殺菌ばかり。ということで、Amazonを見てみるとありました(ホントに何でも売ってるんだなーと感心してしまう)。普通の牛乳よりやや、お高めです。わざわざミルクティーのためだけにAmazonから牛乳を購入するのもばかばかしいと、私はやめましたが、こだわってみたい方はどうぞ。
ミルクティーのいれ方
それはさておき、ミルクティーにする場合には、ストレートティーより濃くいれることがポイントです。茶葉の量を増やすか、抽出時間を長くしましょう。
ミルクは、そういうわけで、普通の高温殺菌のものでもOKです。ただし、冷蔵庫からカップへ直行するのではなく、一度常温に戻してから使います。コーヒー用のクリームや、植物性の生クリームは、紅茶の香味を阻害しますから、代用品にはなりません。なお、シナモンなどのスパイスを加えると、インドのチャイ風になります。
1. 温めておいたポットに、茶葉をやや多めに入れます。
2. 沸騰してすぐのお湯をポットに注ぎます。
3. 茶葉を蒸らします。ストレートティーのときよりも少し長めに抽出時間をとってください。
4. 温めておいた別のポットに、茶こしを使って注ぎます。
5. カップは、温めておきましょう。ミルクの温度で紅茶が冷めるのを防ぐことができます。
6. カップの9分目くらいまで、紅茶を注ぎます。
7. 常温にもどしたミルクを注いでできあがり。(MIAです)
さらにロイヤルなミルクティーにも挑戦
どのへんがロイヤルなのかは結局よくわかりませんが、とにかくミルクたっぷりの贅沢な感じがするミルクティー、と解釈しておきましょう。私はちょっとお砂糖をいれて甘めにするのが好きです。
① まず、手鍋に水と牛乳をいれて加熱します。分量は、カップ1杯=約170ミリリットル程度を目安にして、それぞれ人数分の1/2程度の量となります。
② 扱いやすい容器に、準備した茶葉を入れ、熱湯をかけます。1杯=約3gが分量の目安です。茶葉がなじむまで浸しておいてください。これは、茶葉を乾燥したままの状態で牛乳に入れると、牛乳に含まれるたんぱく質のカゼインに、茶葉がコーティングされて抽出を妨げることになるからです。
③ ①を時々かき混ぜながら温めます。沸騰直前、全体に泡がボコボコと出てきたら火を止め、②を入れます。
④ ③を軽くかき混ぜます。茶葉を入れてからは、火をつけません。茶葉を入れて煮てしまうと、えぐみや牛乳独特の臭いが出てきて、紅茶の香りを阻害してしまいます。
⑤ マットを敷き、その上に手鍋を置きます。蓋をして蒸らします。ストレートティーのときよりも長めに蒸らすのがポイントです。ポットは温めておきましょう。
⑥ 茶こしを使って、温めておいたポットに注ぎます。
⑦ カップに注いでできあがり。お好みで、砂糖などの甘みを加えてください。