水のポイントは、「空気」「硬度」「沸騰」の3つ
おいしい紅茶をいれるためには、やっぱり水が大切。その水のポイントは、「空気」「硬度」「沸騰」の3つですので、それぞれ意識して扱うようにしましょう。
ポイント1 空気
水分中の空気が少ないと、いわゆるジャンピングが起こりにくくなるといわれます。「えぐみ」も出て、うま味成分も抽出されにくくなってしまうので、水にたっぷりと空気を含ませるようにすることがポイントです。
日本の水は、軟水なので水道水を使えます。蛇口をひねって、水を勢いよく出しましょう。そうすることで、空気をたっぷりと含ませることができます。
ポイント2 硬度
軟水とか、硬水とか、よく聞くけど、そもそもいったい何?と思っておりました。水は水なんじゃないの?と。
水の違いを痛感するのは、おそらく海外に行ったときかと思います。お風呂に入った時、泡がたたない!!ということを体験したとき、これが水の違いというやつか、と認識するわけです。
硬水と軟水の違いは、水に含まれているミネラル含有量の違いです。少し詳しくいうと、水1リットル中に含まれるカルシウムイオンとマグネシウムイオンの濃度=硬度によって決まります。つまり、「水に含まれるミネラル成分」の量で軟水とか硬水とか呼ぶのです。
どの値で、硬水と軟水を分けるかは、国によって少し異なります。一応、国際基準としてはWHO(世界保健機関)が、硬度120mg/L以下を「軟水」、120mg/L以上を「硬水」と定めています。ちなみに紅茶の主成分であるタンニンは、こうした水分中に含まれるミネラルと結びついて、水色や味、香りを出します。
軟水は、飲みやすく口当たりもさっぱりとしているといわれます。ちなみに和風のお出汁のうま味を引き出してくれるのは、軟水なんだそうです。紅茶も、軟水のほうがよいということで、日本の水は紅茶向き。しかも、水道水で十分おいしいと書いてある本もあって、これを知った時には、日本人でよかった~と思いました。
これに対して紅茶の国、イギリスの水は基本的に硬水です。ですから、同じ茶葉を用いても、両国では、香味も水色も大きく異なるという現象が生じます。面白いですね。
ポイント3 沸騰
水に空気を十分に含ませるような沸かし方をします。
まず、水から強火で沸かします。硬貨大ぐらいの大きな泡が、ポコッと音をたててはじけ、表面が波打ってきたらベストです。ジャンピングは、沸騰直後から沸騰後数十秒以内のお湯で起こりやすいといわれます。沸かしすぎると空気が逃げてしまいますので、注意が必要です。やかんが沸騰したら、ぐつぐつと火にかけていないで、すぐ次の作業に入ってください。
茶葉は100℃~80℃の間で抽出されます。紅茶をいれるときには、お湯の温度にも、気を配るようにしましょう。